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寂しい桜とおいしいさくら

Wednesday, 27 March 2024 | 著者MiiL

ミキです。 すっかり桜の花は卒業シーズンの花になりましたね。

母が学生だった頃は、入学式のある4月に咲く花でした。母のアルバムを見せてもらったら、祖父と祖母、ランドセルを背負った小さな母の後ろには淡いピンク色をした桜の花が満開に咲いていました。温暖化の影響もあり、開花時期がどんどん早くなり、私のアルバムを見ると、入学式の立て看板の前で撮った家族写真の背景には葉桜が。卒業式の写真には満開の桜の花が写りこむようになっていました。

大学のサークルで一緒だった先輩たちの卒業式の日、後輩の私たちは桜の木の下で、人数分の花束を持って式が終わるのを待っていました。花束には「門出」や「優しい思い出」など卒業にピッタリの花言葉を持つ淡いピンクのスイートピーと「感謝」の花言葉を持つカスミソウ、華やかなラナンキュラスを1本いれたささやかなものを用意しました。お世話になった先輩たちとの別れは永遠ではないけど、いつでも会える日常が終わると思うと寂しく思います。スイートピーのほんのり甘く、フローラルな香りは私の新たな卒業シーズンの思い出の香りになりました。

少し寂しい気持ちを抱えたまま、なんだかスイートピーの良い香りが忘れられなくて花屋へ寄ると桜の切り花が。
寂しい気持ちを元気にするために、黄色やオレンジのスイートピーを数本と桜の切り花を1本買って、小腹を空かせて家に帰ると、母がカステラを用意してくれていました。
買ってきた花を飾って、淡くてやさしい黄色のカステラを食べながら卒業の話をしていると、「実はこのカステラさくらたまごを使っているんだよ」と。「おいしいサクラもあるんだね」と思わず、くすっと笑ってしまいました。今年の卒業は寂しさだけじゃなく、心を和ませてくれた母のやさしさを感じる日となりました。

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