COLUMN
この季節になると思い出す、パリの習慣「アペロ」。
Wednesday, 17 July 2024 | 著者MiiL
こんにちは、ミランダです。間もなくパリでスポーツの祭典が始まりますね。
先月パリに訪れた時にもすでに街には活気が満ちていて、市民が4年に一度の祭典を楽しみにしている様子が伝わってきました。
フランスといえば、10年以上前に友人を訪ねて1週間ほど滞在したときのこと。パリにある友人の家を拠点にモンサンミッシェルやベルサイユ宮殿、サクレクール寺院などパリ市内の観光名所を3日間かけて回り、ルーブル美術館は丸一日かけて見学。鉄道に乗ってコルマールに訪れて船で中世のような街並みを堪能し、モネの睡蓮を鑑賞しに行ったオランジュリー美術館では四方を睡蓮に囲まれるという体験に文字通り息を飲みました。これでもか、と詰め込んだ歴史と芸術づくしの滞在期間はまるで夢のような日々で、今でもたまに思い出します。毎日朝から晩まで歩き回った一週間でしたが、帰国前日の夕方は、友人の家族に「アペロ」にお誘いいただきました。
アペロは、食前酒を意味する「アぺリティフ」の略で、夕食前におつまみとお酒でおしゃべりを楽しむ時間。スパークリングワインやキール、パナシェなどの度数の低いお酒と、タルティーヌ(カナッペ)やハム、オリーブなど片手で食べられるような手軽なおつまみが並びます。友人のお母さんと一緒におつまみを作ったのですが、薄くカットしたバゲットにフムスを塗ってカリカリに焼いたベーコンを乗せたタルティーヌが特においしかったことを覚えています。友人の両親と、フランス人の友人のパートナーと共に楽しい時間を過ごしたことは忘れられない思い出。その後帰国した友人とは今でもたまに会いますが、アペロのゆったりとした時間を日本で再現するのはなかなか難しく、お互いの性格もあってせかせかと動き回ってしまうのです。その国ならではの時間軸ってあるんですよね。