COLUMN
秋の鰹に思いを馳せて、カツオで初夏に勝とう!
Friday, 19 May 2023 | 著者MiiL
じわっと汗ばむ暑い日が増えてきましたね。
じわっと汗ばむ暑い日が増えてきましたね。寒暖差もあり、体調がすぐれない日もあります。そんな時はさっぱりとお刺身を食べたいと思う方も多いのではないでしょうか。この時期を指す季語の1つに「目には青葉 山はほととぎす 初鰹」がありますが、春から夏にかけてのさわやかな時期を指し、まさに鰹の旬の時期でもあります。
日本近海で獲れる代表的な大型魚のひとつである鰹。かつお節など私たちの食事に馴染みのある魚ですが、実は旬の時期が春と秋の2回ある珍しい魚です。春から夏にかけて獲れる鰹を「初鰹」と呼び、その年の初物はパワーや生命力に溢れ、寿命が延びるともいわれ、勝魚ともかける鰹は勝負事に勝てるなどの理由から重宝されています。
江戸時代には「初鰹は女房を質に入れても食えど」というほど、おいしく高級な魚でした。初鰹は魚肉が深い赤色をしていて、さっぱりとした味わいが特徴です。ミョウガや青ネギ、ショウガなど風味豊かな薬味をたっぷり乗せたタタキは絶品です。
一方、秋に獲れる鰹を「戻り鰹」と呼び、脂がたっぷりと乗った鰹はトロ鰹とも呼ばれ、さっぱりとした脂ととろける味わいが特徴です。
鰹にはタンパク質やビタミンB群、鉄、マグネシウム、タウリン、ミネラル類など、栄養素が豊富に入っており、さらに体内で生成できない必須脂肪酸でオメガ3の不飽和脂肪酸のDHAやEPAも豊富に含まれています。
そして、驚きなのが戻り鰹にしかない栄養素があるということです。脂乗りの良い戻り鰹はセレンという栄養素が含まれ、DHAやEPAの量も初鰹より多く含まれています。
同じ魚でも時期によって味わいも栄養素も変化する魅力的な鰹。秋にくる戻り鰹を楽しみに初鰹の味わいを楽しんでみませんか?